そして誰もいなくなった。

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<<書評>> ‐ビジネス本‐ 「小さな会社 社長が知っておきたいお金の実務」

 

小さな会社 社長が知っておきたいお金の実務

小さな会社 社長が知っておきたいお金の実務

 

 

初めての投稿になります。よろしくお願いします。

 

わたしは、会計事務所に務めているので、この手の労務・経理・融資関係の本は結構持っており、知ってる内容が結構あるのですが、それでもタメになる内容が多かったです。

 

著者の土屋裕昭先生は、複数の著書を手掛けており、またテレビにも出演なさっていて、わりと有名な先生なのではないでしょうか?内容もかなり実務に即していて、重要なポイントをかいつまんで、かつ網羅的に記載されています。

 これ一冊マスターすれば、経営者的には優秀だと思います。異業種から会計事務所に転職されてくる方は、ぜひ読んでほしいです。ここら辺は会計事務所の領分なので、身につけておくべき知識です。

 

 

<<タメになった部分・知らなかった部分・忘れてた部分>>

 

 

 1.単一の口座より、複数の口座を持っていた方がいい。

 

 

 資金調達の際に、複数の金融機関の入出金実績、定期預金の実績を積んでおけば、融資の際、お願いできる金融機関の選択肢が増えます。

 

 

 2.通帳の入出金の内容があとで分からなくならないように、記帳付けしたときに、内容も書いてもらう。

 

 

 記帳代行をするときに、通帳のコピーをいただきますが、よく不明な入出金が出てきますので、記帳付けした際に通帳にその内容を書いてもらう。ただ注意すべきポイントとして、通帳の未記帳部分には記入しない、バーコードになっている部分へは記入しないように気をつけること。

 

 

  3.役員退職金を損金算入にするために

 

 

 基本的に、役員給与は損金算入を認めていません。(損金とは法人税法で言う経費みたいなもの)これは、役員報酬の上げ下げによる法人の利益調整を排除するためです。

が、しかし役員給与がないと、役員が生活できないため、定期同額給与等、要件を満たす場合には損金算入が認められます。 

同様に、役員退職金についても一定の損金算入の制限があります。

一般的に妥当と認められている役員退職金の計算方法は、

「最終報酬月額×勤続年数×功績倍率」です。(例  120万円×25年×2.5=7,500万円)

功績倍率は2~3倍程度と言われています。

 

 

  4.経費の精算方法(経費精算申請書)

 

 

 従業員がある程度増えてきた場合、経費精算申請書の使用も考えられます。従業員みんなでひとつの財布をつかって、そこから使った金額を記帳するというのは、非効率だからです。

著者がお勧めする方法は、

①毎月1回の精算日を決める。

②従業員には、領収書を添付して「経費精算申請書」を提出してもらう。

③給与と併せて清算金を振り込む。

この方法での精算をお勧めしています。

精算書は勘定科目ごとに分けて、日付順に記入して、最後に勘定科目ごとに集計しもらいます。

経理の方は、振り込んだ日付で摘要に「勘定科目(従業員名/〇月分)」と一行の仕分を入力するだけでOKです。

たしか、毎日の現預金の残が把握できるならば、まとめて集計するのもOKみたいな規定があったので、この方法も認められるのだろうと思います。

 

 

 4つ、かいつまんで取り上げましたが、まだまだ参考になる箇所が多い本です。

久しぶりに良い実務書でした。