<<書評>> -ビジネス本- 「若い有権者のための政治入門 18歳から考える日本の未来」
図書館で借りた本の書評です。
端的にいうと、めちゃくちゃ面白かったです。
学生時代まともに勉強してこなかった私としては、目から鱗の知識だらけでした。池上彰の政治入門書なんかよりも、上手くまとまっていてかなり読みやすいです。
18歳になった人は、ぜひ読んでもらいたい本です。なんなら、教育の現場で配っていただきたいぐらい、そのくらい価値のある本でした。
ちなみに、平成29年10月22日は、衆議院選挙の投票日ですが、みなさん投票を忘れないようにしましょう。
★読書メモ
・選挙権は18歳から
・日本では、住民票がある街に、投票所に行けるハガキが来て、その「ハガキ」を持っていくと投票用紙がもらえる。
・アメリカでは50年代までは、白人と黒人の結婚も違法だという州が多かった。そのくらい人種差別がひどかった。
・選挙に行かないということは、「何か起きても文句はいいません」という意思表示だということ。
・オーストラリアでは選挙に行かないと罰金が科される。
・有権者であることの義務と権利。
権利は、参政権があるという権利
義務は、例えば、当選させた人が汚職を働いた場合には、それを選んだ国民に責任がある。責任が所在するという義務。
・選挙というものは未来に対しても責任がある。
変な人を選んでしまったら、将来の日本がだめになる。「俺に与えられた権利だから、行使するのもしないのも自由だ」ということではない。あなたがよくても未来の日本がダメになる。
・普通選挙法がどういう経緯で法制されたのか。
昔は侍だけが兵役の義務があり、庶民は兵役の義務はなかった。なので、侍だけが、政治の世界に参加することを許されていた。義務を背負っているのだから、権利も与えよう考えから参政権を与えられた。
明治時代になってからは、侍以外の一般庶民にも兵役の義務が課せられるようになった。そうなってくると、義務に対する権利が求める声が高まっていった。これが「大正デモクラシー」。そして、普通選挙法が制定されることになった。
デモクラシーというのは民主政治のことを指す。(民主主義の「主義」はイデオロギーであり、あくまで価値観であることから、著者は民主主義という言葉に、抵抗があり、民主主義ではなく、民主政治という言葉を使っている。民主政治というのは、あくまで形態、仕組みのことである。)
・義務と権利の話。
イギリスの清教徒革命(市民革命)の時もそうで、始めは、土地を持っている貴族しか政治参加できなかった。これは不動産を持っていない人間は、戦争になったら逃げだすかもしれないので、そんなやつを政治に参加させてはいけないという考えからきている。でも、次第に、軍に参加するすべての兵士には、参政権があるという考え方が芽生えていった。そして一般庶民も選挙権を求めるようになった。
・国防軍の話
圧力に対して抵抗する権利は、自然権である。(自然権というのは基本的人権のこと)
「平和」を守ることより、自国の「安全」が大事。黙って被害者になる訳にはいかない。平和を求めるあまり、白旗振って、独立を失った国の悲惨さは、多くの場合筆舌に尽くしがたい。
・外交問題の話
外交問題と内政問題は全然違う。内政問題は、まちがっていたら修正すればいいことだが、外交問題については、一度のミスが取り返しのつかないことがある。だから政治家を選ぶときは、外交政策がしっかりしている政党を選ばないといけない。
・国際社会に警察はいない。国際法を破ったとしても、経済制裁しかない。
・国連は、交渉を行う場所、自国の立場を宣伝する場所。だから制裁するときに、連合するのは、あくまで有志連合でしかない。警察ではない。
・国際法は、慣習法と国際条約の2つにわかれる。
慣習法は、文書にはしてなかったけど今までそうしてきたから法的な効力をもたせるというもの。
・国際司法裁判所というのは、あくまで国際司法裁判所の出した判決には両方とも従いますと合意している場合でしか、裁判することができない。