<<感想>> -エロゲ―- 「向日葵の教会と長い夏休み」
向日葵の教会と長い夏休み -extra vacation- 通常版(特典なし) - PSP
- 出版社/メーカー: けろ枕
- 発売日: 2013/11/28
- メディア: Video Game
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雛桜ルートが大変良い出来でした。今回はネタばれなしで感想を書いていこうと思います。
雛桜以外のヒロインについては残念ながらスキップしたので、そこについては何も語ることは出来ませんが、雛桜ルートだけでも充分価値のある作品です。
雛桜ルートが、どんな雰囲気のお話かざっくり教えてくれと言われましたら、
「・・・・・どこまでもお子様だな。大人の社会は君が思うほど単純じゃない」
という、ある人物の一言がこの物語を的確に表しているように思います。
それぞれの立場、それぞれの思い、それぞれが歩んできた人生。どのキャラクターの心情もよく理解できます。発せられた言葉だけが真実とは限らない。だから私たちは相手の気持ちを推し量ることでしかできなくて。でもそれがお互いにから回りして・・・・・。
そんな単純でない現実の世界と、ちょっぴりファンタジーな猫のお話。
ピースが一つでも欠けていたらこの物語は成立しなかっただろうなと思わせる、奇跡的な何かを感じます。
BGMもとても良かったです。公式サイトで「雰囲気ゲー」と謳っているだけはあります。「雰囲気ゲー」というとあまり好意的な印象は持ちませんが、BGMとヴィジュアルで醸し出される雰囲気が良い、という意味で「雰囲気ゲー」というのなら、まさしく一級品の作品だった言えるでしょう。
・・・
変わらないものがある。
―――それは、相手との関係性だったり。故郷の在りかだったり。
変わってゆくものがある。
―――でも、今という瞬間は過ぎ去って。変わらないと思っていたものも変わってゆくこともあるだろう。若しくは、もう変わってしまったことを自覚しているかもしれない。
それでも―――帰りたくなる場所がある。
―――それでも私たちは過去でも未来でもない、今を生きているのだから。
ささやかで、とっても身近な希望を胸に...
『希望の前で、待ち合わせ』
それは今を生きる貴方へ送る、エールの言葉。