そして誰もいなくなった。

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<<書評>> -ビジネス本- 「まんがでわかる ドラッカーのマネジメント」

 

まんがでわかるドラッカーのマネジメント

まんがでわかるドラッカーのマネジメント

 

 

 積読になっていたので、消化しました。

 

読み終わった印象としては、この「マネジメント」の範囲というものが、わりと広範で、体系的な奥深さがあるように感じました。

 

その「マネジメント」を、ストーリー仕立てで分かりやすく伝えようとするのは、結構難儀だったと思いますが、この本では、成功している気がします。ただ、一回読んだぐらいでは、実務には使えないですね。

 

あらすじとしては、地域振興会議の委員をすることになった岸本かすみが、祖父や、関係者から、ドラッカーの「マネジメント」にもとづくアドバイスを受け、それを基にして、地域振興を成功させるストーリーです。

 

 

 

 

★読書メモ

 

「マネジメント」を簡単にいってしまうと、

「努力や工夫によって、求める結果を得ること」です。

「ビジネスにおけるマネジメント」は

「目標を達成するために、行う様々な努力や工夫のこと」です。

この、目標、で一番重要なのは、

「どの市場で勝負するのか」ということです。

 

企業は、マネジメントの成果を生むための組織です。

企業の目的は、「顧客を創造すること」

そのために必要な要素が二つだけあります。それは、

マーケティング」と「イノベーション」です。

つまり、「どの市場で勝負するのか」がまず土台にあって、それを基にして、「マーケティング」と「イノベーション」を行うことが、成果をあげるマネジメントになります。

 

マーケティングとは、結局のところ「ビジネスモデルを創造すること」です。

なぜなら、マーケティング、つまり「市場を理解すること」とは

「この事業を通じてどんな顧客が何を欲していて、どんな過程で満足を得たいのか」を理解することだから。つまりそれはビジネスモデルであるといえます。

 

イノベーションで大事なのは、「創造的模倣」と「用途開発」です。

「創造的模倣」は、他者の成功例に自社の強みをブレンドして新しいものを生むこと。

「用途開発」は既存のものを別の市場で生かすこと。既存の何かを組み合わせるとアイディアがでやすい。

イノベーションのゴールは、「独自化」と「差別化」です。

差別化によって出てくるものが、経済的な業績、つまり「利益」です。

 

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「マネジメント」には、企業の手法の意味もあるが、「個人」についてもマネジメントの考え方があります。

 

「成果をあげる能力」は才能に関係なく、習慣によって習得が可能。

いろいろな習慣を挙げているが、一番大事なのは「やるべきことを最優先してやる」ということ。細かいことからやって、重要なことを後回しにしてはいけない。

 

そして、もうひとつ重要な習慣として「人に貢献しよう」と思って仕事をすること。

そのときが一番成長するらしいです。

 

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「差別化」について

 

岸本かすみは、この町の差別化の要因として、「静かでゆったりできる」と挙げるが、他の町にいくらでもありそうな特色なので、それは「差別化」にはならない。「この町ならでは」のものが大事だとアドバイスを受ける。

 

では、どういう風に差別化を図るのかというと、「ペルソナ像(理想の顧客像)」を創り上げることによって差別化を図ります。

 

このストーリーの顧客は、観光客なので、観光客のペルソナ像(理想の顧客像)について考えてみると、

 

「〇〇さん、〇歳。大手企業のサラリーマン。年収〇〇万円。子供は二人、二人とも独立しており、東京都〇〇市に一戸建てで、夫婦暮らしている。趣味は、〇〇。定年退職後は、夫婦の時間を大切にしたいと思い始めている。そこで夫婦で健康増進のためウォーキングを続けている」

 

そのくらい、ペルソナ像については、詳細に考えていきます。

じゃあその〇〇さんが喜んでくれるサービスってなんだろう、という風な感じでサービスを構築してく。「〇〇さんは、旅行先では、地元民とのふれあいを楽しみにしてそうだから、〇〇がいいんじゃないか」みたいな。

 

そうすることによって、サービスが尖っていって、それが独自化につながる。

が、常識的に考えて、最低限のサービスは維持する必要がある。

 

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人を動かす「マネジメント」ついての要点

 

・人を通して成果をあげたいときは、その人の可能性に注目する。できない部分ではく、できる部分を認める。

その人のできること、すなわち得意なことで仕事を任せ、成果を要求し、成果に注目して評価をくだす。それが一番本人もやる気がわくし、成果が出やすい。

 

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ペルソナ像を創り上げたのはいいが、狙っていたターゲットとは、別の層が、サービスを購入している場合。

 

岸本かすみは、ペルソナ像に向けてのサービスを行っていたつもりだったが、そのペルソナには「十分この町の魅力が伝わっていなかった」ということになる。

すなわち、ペルソナのプロフィールについて、詳細に考えたものの、「何に喜びを感じるか」という点で、こちらとの認識に「ズレ」があったということである。

そういうときは「現場」に出ることによってヒントを得られたりする。

そして、時代は移り変わってゆくものなので、「顧客を取り巻く環境」も次第に変わっていきます。つまり「顧客のニーズ」も時代によって変わっていくということです。

なので、一定の期間で、顧客とのニーズにズレが生じていないか、確認していくことも大事です。

 

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うーん。ドラッカーって結構難しい(笑)