そして誰もいなくなった。

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<<書評>> -ビジネス本- 「ビジネスマンに役立つ! 『論語』最強の活用法」

 

 

論語は、講師の弟子たちによって、今から2500年以上前に書かれた書物です。

 

わたしが尊敬している方が、中国の古典の名著には人生の叡智がつまっているということを仰っていて、そんなわけで、「論語」の入門書を探していました。その時に見つけた本がこの本で、ツタヤの書棚に二冊も挟まっていました。売れているということなんでしょうか?立ち読みした限りでは、読みやすく感じましたので購入しました。

 

ただ、この本は、「活用法」というだけあって、あくまで「論語」を読んでわたしはこう感じた、みたいな内容であって、論語のあらすじの説明、そしてそのビジネスでの活用法というわけではないということです。論語を一通り読んだことがある人が読んで、はじめて効用を得ることができるような内容になっています。論語をひもといて重要なポイントはこれだ!ということは力説されているのですが、引用されている部分がどこなのかがちょっと分かりづらい気がしました。

 

 

<<印象深かったところ>>

 

 

▼「義」と「利」が一致したとき、仕事は必ず成功する。

 

 「利」を求めて、事業を興すと長続きしない。まず「義」を目的としてビジネスを行うことが大事。

 「義」というのは社会的な課題、お客さんのニーズ、を指しているのだと思います。まずそのニーズを満たすことを目的として仕事をすることが大事だと述べてます。

 ここで、勘違いしてはいけないポイントとして、「利」を得るためには「義」を第一目的にしなさい、というわけではないということです。それは「利」を目的とするため「義」を手段として捉えているということなので、著者は、まず「義」の精神をもって仕事をしなさいということを述べています。

 

▼晏平仲、善く人と交わる。久しくしてこれを敬す。

 

 晏平仲という人物は、乱世の時代であった春秋時代を通じて、一、二を争う名宰相と われた人物です。また、大変な人格者だったようで、「久しくしてこれを敬す(久しく交わるほど尊敬される人)」といわれるほどに、昔からの友人が多かったそうです。

 ここから分かることは、人付き合いに損得勘定で考えなかったからこそ、昔からの友人が多かったという事実です。「利によって行えば、怨み多し」といわれるように、損 得勘定で築いた人間関係は長続きしないし、人生も豊かになりません。

 本当の人脈というものは、「義」と「利」を一致させることにより築かれることだと述べてます。だからまずは、「義」の精神を先にもって接することが大事だということです。