そして誰もいなくなった。

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<<雑記>> 鑑賞 「さや侍」

 

 松本人志監督第三作目、「さや侍」鑑賞しました。

 

youtubeでたまたま見つけた「松紳」以来、松本人志と、島田紳助のファンで、ときどきお二人の名前で検索して、昔の動画をときに視ているのですが、その時にこの作品の番宣をしていたのがきっかけで、鑑賞しました。

 

あらすじですが、

妻をはやり病でなくしてしまった武士・野見勘十郎はそれ以来、刀を捨て、さや、だけを腰に提げて生活をしていた。提げなくなってからは、藩に武士あるまじきものとして、指名手配されてその身を追われることになった。

しばらくして、御用聞きに捕えられ、藩邸まで連れて行かれることになる。そこで言い渡されたのは、明日から30日の間に若君を笑わすことができれば切腹を免除する、というものだった。

果たして、野見勘十郎は若君を笑わせることができるのか?

 

という感じで、これだけ見るとギャグっぽいのかな、と思うかもしれませんが、どちらかというとメッセージ性が強く反映されたような内容になっています。おそらく本人は感覚的に作っていると思うので、元からメッセージ性とか入れるつもりはなかったかもしれませんが、今回はそういう思想的な面が前面に出ていたのかな、と感じました。

 

内容は、よかったです。松紳で、以前「おれの先祖はゴッホなんじゃないか?」みたいなことを言ってましたが、なるほど、確かに松本は芸術家肌だと思います。シンプルな中に違和感があって、そこにセンスを感じます。

 

勘十郎が「   」をしたあと、さやに短刀を納めますが、そのときに何とも言えないカタルシスを感じました。戦って戦って、最後に「自分の意思」を手に入れ、本当に大切なものを選択できたように思います。エンディングに流れる曲は、一見、宗教っぽいですが、なんというか松本っぽいな(笑)と、感じます。

 

あなたにとって大切なことってなんでしょうか?

その問いを答えるのは、あなたが思っている以上に難しく、これからの節目節目で付きまとってくるテーマですよ。

 

と、そんなことを考えさせられます。良い作品でした。